廃墟街の死遊園地

PM 42:481


学校を出た。


「?!…暗くない…いや…白黒?!」

驚くことにすべてが白黒。
どういうことだ…

貧血によくあることだから貧血かと思った。


「…廃墟街だよ?ここは白黒号沿いだからだよ。アッハ!それだけで驚くなんて!やっぱ面白いっ!」


いい笑顔。
だけど白黒沿い…?



廃墟街???


ますます少年の言葉に混乱する…。




「そういえば、名前聞いてもいい?」




「 あぁ!言ってなかったね! 僕の名前はー… えっとーなんだっけ、クジラメ テトリ。 0(ゼロ) って呼んで。」




「0…?ゼロって、名前?」





「違う違う! 市民ナンバーさ。
この街に住んでる者たち、人間じゃあなくなるからさ、名前取られちゃうんだ。久しぶりに思い出したなー…」





…?

名前を…とられる?、
テトリ、いや0は廃墟街の住民なのか?






「ゼロは、ここの住民なの?」





「うん、そうだよ〜!
あっ!君の名前は?」



《私の目の前にいる者は、
人間では…ない…?》



「 小夜井 ユノ。 」










「懐かしいね。」



ゼロは小声で呟いた。

今までとは違う表現で、私を横目に微笑んだ。






だが私にはその時、
その呟きは聞こえなかった。








「なんか言った?」






「ううん!なんにも? さて〜…案内しようか、この街を!」




「 よろしく…?」





ゼロはニコッと笑い、白黒の街を歩き出した。



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