一番、和奏を傷つけたのは自分だ。
静かな教室に気が付けば和奏の泣き声が響いていた…
「ごめんね…私、鬱陶しいでしょ…
自分でわかってたの。
彗に迷惑かけてるって」
『そんな…』
「一人で寂しかったんだ。
家でも一人で、学校だけが私の居場所だった。
誰か隣に居てほしいだけだったのかもしれない」
知らなかった。
和奏の事を何一つ…
誕生日さえまともに知らず、果歩に言われなければ分からなかった。
家族構成だって、好きな食べ物も…
『ごめん』
この一言しか言えない自分に腹が立つ。
目の前には大粒の涙を流してなく和奏がいるのに…
震える和奏の肩を包むように、初めて抱きしめた…
懐かしい匂い…
あの時、ちゃんと振れば良かったのかな。
俺が中途半端な事をしたから余計に傷つけてしまった。
「ごめんね…ありがとう…」
『いっぱい傷つけた…』
「うぅん」
『好きになってあげられなくて、ごめん』
「うぅん、大丈夫」
鼻をすすり、声を出して泣く和奏の声が胸に強く響く…
一番近くにいたのに、互いの心は遠かった。
もっと理解してあげてたら…
今更思ってしまう。
「私、一人でまた一から頑張るから…
今までありがとう…」
『一人…』
「クラスで友達いないから、明日から頑張ってみる。」
その声は悲しさで溢れていた。
和奏にとって一番辛い“一人”という言葉
でも、きっと乗り越えられるはず
自分でなんとかしなければならない事は本人が一番良く知っている。
『和奏なら大丈夫。』
「うん!」
笑ってみせた和奏の笑顔…
涙が頬に伝って、足まで震えていて倒れてきた…
座りながら優しく抱き寄せ、髪を撫でて気持ちを落ち着かす。
彼氏らしい事は何一つしてあげられなかったから…
せめて今だけは…
真彩ちゃん…ごめん…
-彗 side end-

