「いた?」


「いない…」




その繰り返しで6組まで来てしまった…


やっぱりそこにもいないわけで…


お昼休みが残りわずかだから帰ろうと教室へと戻る。



「あたしはイッチーが一番だね!」


「好きだねー、イッチー」




千加はイッチー以外の男の人に興味が無いみたい。


これまでの経験上、年下だけはどうも好かないらしい…


理由は、「あたしの方が先に歳をとるのが嫌!」ということ。


好き嫌いがはっきりしている千加は、付き合ってもなかなか長続きがしない…



「イッチーなんか好きなんだよねー」


「物静かで冷静な優等生…」


「あたしには初めてのタイプだ!」




そう話す千加の表情は、満面の笑みで微笑んでいる。


恋するとこんなにも表情豊かになれるのかなぁ?


内心、すごく羨ましい…


よく那雲は?って聞かれるけれど、那雲は友達以上恋人未満っていう領域。


恋愛感情的になって見た事がない!