待ち合わせ場所に着くと、もうすでに新間先輩と果歩先輩が着ていた。
甚平姿できまっている新間先輩の隣に、スラリと立つ果歩先輩。
短い髪に、耳には小さなピアスをしていて浴衣と凄くマッチしている。
誰が見ても、これぞ美男美女!
恥ずかしがる新間先輩がまた可愛くて…
果歩先輩が新間先輩の腕に捕まって、嬉しそうに肩に顔をすりすりしている。
『剛先輩、顔赤いっすよ?』
『はっ!?』
「何なに、照れ隠しか!」
いつもの話が始まり、その光景を眺めて微笑む。
けど、その後ろに彗くんはいなかった…
「ごめんね…
彗、バイト長引いてるみたいで」
「いえいえ!
隣に那雲がいますから」
気を落としても仕方がない!
だって隣に那雲がいるもん!
さすがに一人は寂しいけどさ…
「それもそうか!」
ホッとして果歩先輩は笑顔になった。
今日、逹奇くんも来ているけれど別行動。
何処かで会うだろって那雲は言っていた。
今日は、お祭りとだけあってカップルが多い…
慣れたように歩く人や
恥ずかしそうに手を繋いでいる子
手を繋げずに、男の子の服の裾をつまんで歩く子…
私も、その中の一人になれるのかな?
彗くん…
来てくれるのかな…