高2の夏。

課題は夏休み入る前に終わらせてすることなんてなんもない。
仲間と集まってぐだぐたするのにも飽きてしまった。

「早く学校始まんねぇかな」
「はぁ?お前真面目ちゃんかよ」

隣の金髪頭が笑いながら肩を叩いてくる。
それを無視して窓から空を見上げた。
"あの子は何してるのかな"なんて考えながら…

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2年の初め…俺は恋をしてしまったらしい。
ただ喧嘩っぱやくて、髪を明るく染めてピアスを開けていただけなのにヤンキーなんて言われて…
って、まぁヤンキーだよな。普通に考えて
そんな俺にどもりながらも話しかけてきた女の子…

「あ、…あの、プリント…」
「え?…あぁ、これか。はい」

いかにも委員長を押し付けられそうなメガネの小柄な女の子。
去年の委員長とは違って他のうるさい女に頼むなんてしなくて、直接…
少し震えながらだけどプリントを貰いに来てくれて、渡すと優しく笑いかけてくれた女の子。

その短い一瞬で恋に落ちてしまったらしい。