お父さんが部屋を出て行ってからは、やり場のない気持ちからまたリストカットを繰り返した。
鋭い刃先で皮膚をゆっくりとなぞる。
手首から暖かい赤い血が溢れ出てくるのを見ると、ホッとした。
繰り返されたリストカットの痕で手首は傷だらけ。
見ていて、自分でも恥ずかしく感じる。だけど、今の朱里亜はリストカットをしないと精神状態が保てなかった。
目を覚ました翌日から…、大学に行かされた。
本当は行きたくなくて…休みたかったけど、これ以上両親に心配かける事もできないので普通に自宅を出た。
「いってきます」
「気をつけてね!気分悪くなったらすぐ帰ってきなさいね」
お母さんにそう言われ、また少し泣きそうだったが笑顔で「大丈夫」と返事するしかなかった。
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ゆっくりと最寄駅に行くと、地元の同級生たちがいた。
挨拶をしながらいつもの車両の位置へ向かう。
「あっ!朱里亜、おはよー!!」
「おはよう、桜」
桜は地元の同級生の中で一番仲良しの子。中学を卒業してから離れたから昔ほどつるまなくなったけど、今でもマメに連絡を取り合う仲。
「朱里亜また遅刻じゃないの?(笑)この時間だったら朱里亜の大学の授業間に合わないんじゃなかったっけ?(笑)」
「あはは(笑)何か学校行きたくなくてゆっくり歩いてきたら遅刻する時間に駅に着いちゃったよ〜」
「もう〜!!そんな事言ってるとまた高校の時みたいに単位落としかけるよ?(笑)ちゃんと行かなきゃ!」
「うん〜…でもなんか今日は一人で居たいから学校はサボってブラブラする。」
とてもじゃないが、今の精神状態で学校に行く事はできなかった。
「そっか〜、私も付き合うって言いたいけど、今日検定の模擬テストがあるんだよね。ごめん!」
「いいよいいよ!(笑)一人で居たい気分なんだから桜がいたらダメでしょ!(笑)」
「確かに!(笑)」
そんな風に談笑しながら、桜と途中まで一緒に電車で街へ向かった。
