メンヘラ女。

未来が見えない翔平といる時間は段々と苦痛でしかなくなってきていた。
「死にたいな…」
19歳になる目前から毎日そう思っていた。


周りのカップルが本当に羨ましくて。
何であんなに優しい男性と付き合えるんだろう…
何で彼氏といて、あんなに笑顔でいれるんだろう。

街で見かけるカップルを見るとそう思えて仕方なかった。



正直、翔平と別れたいと思っていた朱里亜だったけど、また別れたいと言ったら刺されるかもしれないという恐怖で別れを切り出せずにいた。

翔平の家でぼーっと時間を過ごして、翔平が仕事に行くのを見送って、たまに店に遊びに行って。
だけど、ある日、翔平の勤めているホストクラブに行くと、翔平はスタッフには「こいつ、俺の自慢の彼女。色恋とかじゃなくて本当に好きな彼女なんす。だから他の男につけさせたくないからヘルプはつかなくていいから。」と言ってくれた。
朱里亜もホストクラブは苦手だったからヘルプと話すのもだるかったからちょうど良かったし、何よりスタッフに「本当に好きな彼女」って言ってくれたのが嬉しかった。

いつもあんな態度をとるけどなんだかんだで大事に思ってくれてるんだって思えた。
飲み物も全く頼まないし、翔平のツケで支払ってくれていたから朱里亜が翔平の店に行ってお金を使うこともなかったし。
だから本当に色恋とかじゃなくて彼女なんだと安心した。


そう思えたら、多少の暴力も何も思わなくなってきていた。
翔平は朱里亜のことが好きだからたまにブレーキが効かなくなるだけだって自分に言い聞かせてた。