その後、翔平に暴力を振るわれる事なく平穏な日々を取り戻したと思っていた。
デートっていっても何をするわけでもなく、家にいるだけだけど…
翔平と付き合って初めてこんな穏やかな時間を過ごしていると思った。
だから、それだけでも朱里亜にっとっては十分だった。
しかし、そんな日々も長くは続かなかった。
きっかけがあったわけではないけども、少しずつまた前の翔平に戻っていった。
キレると大声で怒鳴り散らし物を投げるようになった。
それだけなのに、朱里亜は身動きできなくなるほど怖かった。
きっと刺された時の事や意識が遠のく程殴られた事を体が覚えていて怖がるようになったんだろう。
翔平が怒鳴るたびにひたすら謝った。
「ごめんなさい……」
そういう事しか出来なくなっていた。
翔平に謝るたびに朱里亜は自分自身に対して疑問を抱くようになっていった。
なんのために付き合っているんだろう。
なんのために一緒にいるんだろう。
周りの友達は彼氏と色々なところにデートして幸せそうなのに…私はどうしてこんな怯えながら彼氏と一緒にいるんだろう……。
そう考えだすと、そんな自分が凄く惨めで…翔平といる意味が次第に見出せなくなっていた。
そんな疑問の中、翔平は少しづつまた以前のように朱里亜のことを殴るようになっていた。
でも、殴られてももう前ほどショックを受けることがなくなってきていた。
段々と朱里亜自身、麻痺してきていたんだと思う。
毎日毎日、翔平のことで悩まされて…そんな毎日に疲れてた。
