次に朱里亜が目を覚ましたのは2日後だった。
ゆっくりと目を開けていく時、翔平の顔が一番に飛び込んできた。
その時、”あぁ、私死ねなかったんだ…”と理解した。
力なく目を開いた朱里亜を見て翔平は今まで聞いた事ないくらいの優しい声で
「朱里亜!!」と呼んでくれた。
「………」
「朱里亜…ごめん。本当にごめん。俺、朱里亜がいないと生きてけねーんだよ…
お前が目を覚まさない間すげー不安で仕方なかった…。生きててくれて良かった…」
と、あの翔平が目に涙を溜めながらつぶやいた。
体を起こす事が出来ず、横になったままだった朱里亜をぎゅっと抱きしめてくれた。
初めて誰かにこんなに優しく抱きしめてもらえた気がした。
そう思うと、なぜか涙がでた。
泣いている朱里亜を見て
「ごめんな、朱里亜…。好きだよ。別れるなんて言わないでくれ…
俺の事一人にしないでくれ。お前しかいないんだよ…」
と、あんなに体格が良くてオラオラの翔平がこんなに丸まって細い声で頭を下げている事に戸惑いを感じながらも、今までこんな事言ってくれる事なかったからきっと変わってくれるんだと信じた。
「もういいよ…。怖かったけど、もう二度としないって約束してくれる?」
朱里亜がそう言うと
「もう二度と暴力ふるわないし、お前の事絶対大切にする」
そう即答してくれた。
刺された太ももも、不器用ながらもきちんと消毒してテーピングしてくれていた。
私が目を覚まさない間、翔平は孤独と戦って私の無事を願っていてくれたんだと思うと、何故か胸が凄く締め付けられ…彼が変わってくれるという言葉を信じてしまった。
「約束だからね。」
朱里亜は翔平の事を許した。
