監禁されているものの、翔平が朱里亜のケータイを使ってうまいこと朱里亜の親や友達に連絡をしていたから捜索願なんて出される事もなく誰にも気づかれなかった。



顔やDVの度合いがすごい時にしか基本的には監禁されないけど、この監禁生活があまりにも辛くて一度「別れたい」と言ったがその時はボコボコに殴られ、包丁を振り回された。
包丁を振り回しながら奇声をあげる翔平を目の前にして殺されると思い焦りはあったけど、こんな状態で生きていても何の意味もなかったし、殺された方が楽とさえ思えた。


私は性欲処理と殴る時にしか役に立たない存在なんだと自分に対して思い始めていたから。



”初体験はレイプで、こんなDVもされてまで生きなきゃいけないの?私はやっぱり幸せになんてなれないのかな…”と毎日思っていた。
生きる意味を見出せず、絶望しかない毎日…。




だから朱里亜は翔平に包丁を突き付けられた時、ただ楽になりたかった。
殺してくれるんなら殺されたい。そう思った。
「お前が別れるなんていうんなら殺してやる!!お前だけ幸せになんてさせない!!!」
と翔平に叫ばれた時…
「刺したきゃ刺していいよ。その代わり、私が死んだらあんたは殺人犯。逮捕されて人生終了だからね。今以上のどん底人生しか待ってないからね」と言い返した。
今まで翔平が怖くて、どれだけ殴れれても蹴られても言い返すこともせず「ごめんなさい」しか言わなかった朱里亜が翔平に初めて逆らった時だった。
その結果、太ももを深く刺され朱里亜は血まみれになった。

しかし刺されただけでは終わらず、更に翔平が気が済むまで殴られた。


自分の体から流れる血がとても温かくてなんだか心地よかった。
叫びながら殴り続ける翔平を見ながら
”このまま死ねるのかな…”と思い段々と意識が遠のいていく気がした。