ある夏の日、朱里亜はいつものように友達と放課後街をブラブラした帰りだった。
友達とは帰る方向が同じため途中まで一緒に帰宅していた。



朱里亜は数ヶ月前、バイト先から帰る途中で男性につけ回された挙句痴漢にあってしまい、外を歩く際の警戒心が強くなっていた。




キョロキョロとしながら
「今日も疲れたなー」
なんて、ぽつりと呟きながら自転車を漕ぐ。




痴漢は、通学中の満員電車でもたまにされる。
だから、どうして男って女のことをいやらしい目でしか見ていないのだろうと高校生ながらに感じていた。




そんな感じで男にうんざりしつつも、普通にこの時は好きな先輩いたし。



普通に恋もしてて。
だから、男嫌いになんてなる程じゃなかった。





それ以上のことが自分の身に起きるなんて思ってもいなかった。