自分の体の中の汚いもの全て、出してしまいたかった。

あの男に触られた体の部分から流れる自分の血さえ憎くて。

出来ることなら全てを流して、消してしまいたかった。





「うぅっ……」

 

泣きながら握りしめていたカッターが、いつの間にか真っ赤に染まっていた。



手首も床中も、真っ赤になって痛いはずなのに…不思議と痛みは感じられなかった。






「はぁ…はあ……」







いくら切っても切り足りなくて…。








その日は朝までリストカットをし、一睡もすることなく夜を明かした。