特ダネには真実を

それでも、逮捕出来て本当に良かったと心の底から思った。



普段いくら馬鹿にされようと、楽しそうに話しかけてくる、悪意の無い潮のことを悪くは思わない。


こうやって、いや前より信頼感が増している潮に、寧ろ嬉しさまで感じる。



「…これを受け取ることで、南能の気が済むなら有り難く貰っとく。」



だけど、受け取ったことは内緒だぞ?賄賂と取られかねんからな。



「ふふ、了解でーす。」



気持ちを汲んで招待券を受け取ってくれた薇晋に、潮は事件担当が薇晋で良かったと改めて思ったのだった。



「良かったのか、招待券渡して。行ったことがないと言ってただろ?」



前に特集記事を組んだ雑誌を読みながら、潮が幄倍とそんな話をしていたのを、秀滝は思い出した。



「良いんですよ。私にはこれがありますから。」


「これ……」



潮が見せたのは、某テーマパークの年間パス。

しかも、2人分。



「招待券とは違う取材先からなんですけど。…ってか、これ元々、福引券だったんですよねー。」



期限が今日までで、行く時間が無いからと半ば押し付けられるように貰った商店街の福引券。