特ダネには真実を

潮が碣屠實に一人で会いに行ったと分かった時、引き止められなかった自分をどれだけ責めたことか。


病院だって、心配で心配で無理矢理連れていったようなもの。



記事や警察発表に関しても潮の名前を出したくないと、啄梔と薇晋に頼んだのだ。


潮にも言った、最もらしいことを2人にも並べ立てたが、結局潮に何かしらの影響を残したくなかっただけだ。



取材すら出来ずに逃げた、16年前のようなことは繰り返したく無かったから。


自分が潮に出来ること、今回ならあると思ったから。



「だが、無事で良かった。本当に良かった。」


「先輩……」



心配と安堵。

秀滝から伝わってくる。


潮は動揺することも忘れ、秀滝を呼んだ。



「忘れられなかったんだよ、16年前のあの時から。南能のことがずっと……!」



7歳の少女に恋するなんて馬鹿げてると、自分でも思った。


何度も何度も、気の迷いだと思い込もうとした。



けれど、紛れもない事実だ。

それが、偽り無い気持ちだった。



だから、どうしても目の前の、思考回路が鈍感な娘に伝えたかった。



伝えられなかった、16年分の想いを。