特ダネには真実を

「16年前のこと、南能が覚えているとは思わなかった。けど、覚えていてくれて俺も嬉しかった。俺は、あの事件忘れることなんて出来なかったから。助けた時の南能の顔が忘れられなかった。」



助け起こした潮は、ありがとうと言ってニッコリと笑った。


しかし、その直後に他の記者が潮がこけてしまったことに気付いて、一瞬で無表情に戻ってしまったのだが。



自分だけに向けられたその笑顔を、秀滝は忘れることが出来なかった。



「ふとした表情が似ているとは思ってたんだが、まさか本人だとは………」



普段からかわれることが多く、その表情も意地悪なもの。


しかし、不意に見せる笑顔や一人気を抜いた時に醸し出す雰囲気は、どことなくあの少女を脳裏に思い起こさせた。



でも、同一人物だと知った後も、何でもない風に装うしかなかった。


からかいの対象である自分に好意など持っている筈がない。



気持ちを伝えたとしても、からかわれた挙げ句に玉砕など立ち直れる気がしなかったから。



「今回のことだって、何とかして犯人に繋がる情報見付けたかったのに、直接乗り込むとか無茶しやがって……心臓止まるかと思ったんだぞ?」