特ダネには真実を

碣屠實を信じて、秀滝を信じていない訳ではない。


ただ、思ってもみなかっただけだ。



秀滝が自分を好きだなんて。



そういう感情が秀滝に無いと思っていたからこそ、潮は軽口を言えたりハッキリ好きだと言えたりしたのだ。



「せ、先輩は、囃噺さんが、好きじゃなくて。先輩が、好きなのは、私で……?いやいや…、先輩は優しいし、疑うわけじゃないけど……、そんな都合の良いことあるわけ……。でも、先輩は嘘じゃないって言ったし……」



言われたことを理解しようとするが、点は点のまま線には繋がってくれない。


考えは纏まらず、潮はブツブツと自問自答を繰り返す。



しかし、潮の気持ちを知ってしまった秀滝に、答えが出るまで待つ余裕はもう無かった。



「あーもう……。どうしたら信じてくれんだよ!」


「ゎっ……!」



潮の間違いだらけの思考を、とにかく止めさせたかった。



「は?へ?せ、先輩……!?」



目の前はどこを見ても秀滝で埋め尽くされていて、触れた体温に声はしどろもどろになる。


抱き締められると思っていなかった潮は体は固まったまま、頭だけで一人わたわたしてしまう。