特ダネには真実を

「先輩呼んだの、自分でも分からなくて。路地裏に逃げ込んだら震えて動けなくなって……でも、とにかく先輩の声聞きたくて、上手く言えたか記憶に無いけど、声聞いたら姿見たくて。先輩の姿見たら震えも止まって動くことが出来たんです。だから、」



だから、そんな勝手な理由で呼び出したなんて皆の前で言える訳ないじゃないですか。



そう言って、潮は立ち上がる。



「今回、色々言っちゃいましたし、心配もかけました。でも、先輩がいて良かったです。先輩が先輩のままで良かったです。」



「南能?」



立ち上がって、しかも背を向けている潮の顔は、座ったままの秀滝には見えないが聞こえる声は明るい。


それに、潮がここまで自分を褒めることは今まで無かったから、秀滝は妙な気分だ。



「先輩、私は先輩が好きでした。この気持ちがあったから、きっと今まで生きてこれたんです。好きっていう気持ち、教えてくれてありがとうございました。」



振り返って頭を下げる潮に、秀滝の思考は追い付かない。



「別に付き合うとか、そういうのは全く考えてないんで心配しないでください。先輩にはもっと相応しい人がいますしね。」