特ダネには真実を

「でも、先輩が助けに来てくれて嬉しかったです。あんな酷いこと言ったのに。」



普段から失礼なことは言われている気がするが、きっと碣屠實墜玄と電話した後の会話のことだろうと、秀滝は察する。



「先輩は変わらないですね。あの時と同じ顔してたし。」


「あの時……?」



自分を前から知っているような口振りだ。


なんだか、前にも同じニュアンスの言葉を聞いた気がすると、秀滝は思考を巡らせる。



「やっぱり覚えてないですよね。16年前に私、先輩に会ってるんですよ。両親の件で取材しようと溢れ返ってるマスコミともみくちゃになって、私がこけて。先輩その時、助け起こしてくれたんですよ。」


「!」



まさか、覚えていたなんて。



秀滝は息を呑んだ。



確かに、こけてしまった当時の潮をマスコミの中から助け出したのは自分だ。


けれど、まさか潮の方も覚えていたなんて秀滝は想像もつかなかった。



両親が殺されてマスコミに追い掛け回されて、憔悴しきっていたたった7歳の子供に。