特ダネには真実を

碣屠實と会っている時、潮はポケットに取材の時の必需品、ICレコーダーを忍ばせていた。



何も無ければいいと、取り越し苦労であって欲しいとの願いを込めて。



しかし、そのICレコーダーにはしっかりと記録されていた。



16年前の真相も、

綻着嚇止が殺された理由も、

碣屠實墜玄の不正も、


潮に対しての殺人未遂も、



自白付きで何もかも。



それのおかげで、秀滝は記事を詳細に書くことが出来、警察の裏取りにも役立っている。


聞くに堪えない箇所があったのは否めないが。



「墜玄さんを信じたかった。16年前からずっとよくしてもらってたのは本当だったから。」



疑惑を晴らしたかったのに、逆に暴いてしまった。



「殺されかけるなんて思ってもみなかったし。催涙スプレー役に立ちました。」



秀滝は、自分で自分を褒めてやりたかった。



潮の普段の取材先に催涙スプレーがいるような相手はいないし、自分とは違いそんな記事担当でもない。


ただ、今回自分が催涙スプレーに助けられたので、お守りの意味を込めて渡したのだ。



まさか本当に、それが必要になる事態になるとは思わずに。