外に出たはいいものの、空気を取り込もうと体が必死になり、思うように呼吸が出来ない。
「ゲホッゲホッ、ゲホッ…、ゲホッ……ゲホッゲホッ…」
車の傍から離れることも出来ずに、その場で咳き込み座り込んでしまう。
「このクソガキがぁ――!!」
「南能―――!!」
前と後ろから同時に聞こえた声は、どちらも自分を指したものだ。
「観念しろぉっ!!」
車から出てきて再び潮を襲おうとした碣屠實を、薇晋と崇厩が2人がかりで押さえ込みにかかる。
「大丈夫かっ!?」
「ケホッ…せ、んぱい……、ど、して………」
秀滝に背中をさすって貰ったおかげで、潮は少しずつ呼吸が楽になる。
どうして薇晋と崇厩、そして秀滝がここにいるのか分からない。
分からないが、聞き慣れた声と、見慣れたカメラと、背に感じる温もりで、もう大丈夫だと思えたのは確かだ。
「大人しくしろっ!」
「どいつもこいつも……、俺の邪魔をするなぁっ!」
怒り狂った碣屠實の力は結構なもので、押さえ込むのに決め手に欠けて、警察の応援が来るまでの数分間、乱闘が続いたのだった。
「ゲホッゲホッ、ゲホッ…、ゲホッ……ゲホッゲホッ…」
車の傍から離れることも出来ずに、その場で咳き込み座り込んでしまう。
「このクソガキがぁ――!!」
「南能―――!!」
前と後ろから同時に聞こえた声は、どちらも自分を指したものだ。
「観念しろぉっ!!」
車から出てきて再び潮を襲おうとした碣屠實を、薇晋と崇厩が2人がかりで押さえ込みにかかる。
「大丈夫かっ!?」
「ケホッ…せ、んぱい……、ど、して………」
秀滝に背中をさすって貰ったおかげで、潮は少しずつ呼吸が楽になる。
どうして薇晋と崇厩、そして秀滝がここにいるのか分からない。
分からないが、聞き慣れた声と、見慣れたカメラと、背に感じる温もりで、もう大丈夫だと思えたのは確かだ。
「大人しくしろっ!」
「どいつもこいつも……、俺の邪魔をするなぁっ!」
怒り狂った碣屠實の力は結構なもので、押さえ込むのに決め手に欠けて、警察の応援が来るまでの数分間、乱闘が続いたのだった。