特ダネには真実を

自分と嚇止なら、別によかった。


嚇止が殺されて悲しいが、それでも資料を集めていた者として、当事者として、何かしらの邪魔が入ることは覚悟していた。



真実を知る為に。

疑惑を晴らす為に。


今までしてきたけれど。



無関係の人を巻き込むようなことになってしまった。


しかも、一番遠ざけたかった秀滝を。



「嚇止くん、きっと気付いてたんですよ。陽明日で働きたかった理由も、私が疑惑を晴らすことより取材を優先していることも。電話の最後に嚇止くんが言ったんです。」



――俺達は間違ってたんだ。お前はもう、苦しまなくていい。俺が終わらせてやる。



「だから嚇止くん、一人で無理して……」


「南能のせいじゃない。」



「…先輩は優しいですね。」


「そんなことはない…」



俺は16年前、逃げたのだから。



「優しいですよ。先輩はいつでも。」



「いつでも…?」


「…何でもないです。」



何かを思い出したのか、潮の表情が柔らかくなる。


しかし、軽く誤魔化された秀滝には、潮の微笑みの意味は分からなかった。