特ダネには真実を

証拠となる資料が奪われて、怒っているものだと思っていたのだが、当の潮はどうでもいいと言った。



「資料がどうでもいいって……だってあれは大切な証拠だぞ?」


「警察にあれば嚇止くんみたいにならないと思っただけです!でも、もういいです。コピーなんてないし、もう犯人の用はないでしょう。もうこの件は終わりです。」



潮はそう言って、一方的に話を終わらせた。



「は?南能、あのな…」



「終わりかどうかはお前が決めることではない。」


「オーナー……」



薇晋が言葉の真意を潮に確かめようとした時、この場に滅多に現れない埜尻が入口に立っていた。



「読者は求めている、まだこの事件を。太陽の様な情熱と明日をも見通す話題、それが我が社の方針だ。読者が求める限り終わらせることはない。社の方針に従えないなら、辞めてもらって構わない。」



演説をするように、そして最後は経営者として。


埜尻は、潮に選択を迫る。



「オーナー、辞めるとか辞めないとかそれはいくらなんでも…」



啄梔はデスクとして、そして潮の上司として、恐々ながら埜尻に伺いを立てる。