彼女にもう一度

手紙、という言葉に心が傾いたのが自分で分かった。
と同時に、怜奈の顔も頭に浮かんできた。


手紙の中身は凄く気になるが、怜奈のことを思ったら受け取るべきではない。
だが、ここで拒否したら、ココは完全に僕から消えてしまう気がした。
永遠の愛なんてないということが本当に証明されてしまう……。


『俺はずっとココを愛してる』


病院でそう約束した、高校生の僕の声が響く。



天秤にかけた。

怜奈と、ココからの手紙を。

ゆらゆら、ゆらゆら。
頼りなさげに針は揺れる。
やがてそれは、ココの方を静かに差し示した。


「……もらうよ」


僕はそう答えていた。