凛が帰ったあと、
佳奈がなんやかんやとオレに話しかけていたが、
凛のことで頭が一杯で
オレの耳まで届かなかった。





「オマエ、今日は帰れ」



「え?なんで?」



「いいから。今日はもう帰れ」





オレが冷たく言うと、
佳奈は涙目になっていた。


別に佳奈を責めようとしてるわけじゃない。

少なからずオレに好意を持ってくれてんだから、
むしろ大切にしなくてはならない。

でもだからと言って、
凛を傷つけることは許さない。

オレは凛が好きで、
佳奈の気持ちに応えることは
どう頑張っても無理なことだ。



ったく…泣きたいのはこっちだっつの。