「悠介のせいで大っ嫌いな現国と化学やるはめんなったじゃん!」

帰り道。
凛は相変わらず黒い方のまんまで、
午後の授業の愚痴をこぼしてた。

「たまには受けんのも新鮮でいいだろ?
凛が可哀想じゃん」

「おかしくない?
同じ凛でもあっちは勉強出来るくせに
あたし出来ないなんて…」

ぶすっとふてくされる凛。

「オレが勉強教えてやろっか?」

絶対凛に言うことはないと思われていたセリフだった。


凛は常にトップ層にいる。
うってかわってオレ。
下から数えた方が断然早い
万年補習組。

ちょっと気分がいい。

「悠介に教えてもらったら
よけい成績悪くなるわ」

「黙れッ!」

雰囲気ぶち壊し。