「え?オレん家に?」

「うん、ダメかな?」


付き合って1ヶ月。突然凛がオレん家に来たいと言い出した。


「悠くんの部屋見てみたいなー♪
あ、お姉さんいるんだよね?
話してみたいっ」

「姉ちゃん?
そんなたいしたヤツじゃねーよ?」


オレの姉ちゃんは気が強い。
おまけに態度もデカイ。

おしとやか系の凛には出来ればあんまり会わせたくなかった。

変なこと吹き込まれたら大変だ。

あ、待てよ。姉ちゃん今日バイトじゃん!
夜まで帰ってこないんだった!

じゃいっか。


「いいよ。
うち両親共働きだし。
ただ姉ちゃんは今日バイトだから会えないかも…」


まぁ…かもじゃなくて会えないんだけどね。


「そーなの?残念…
でもいいや。行きたいっ」

凛はキラキラした目で言った。

「じゃ、放課後門のとこで待ってて」

そんな目をされちゃ断れない。

「わかった!
じゃまた後でねー」

手をふって教室を出ていく凛。
凛とは違うクラスなのだ。

「ゆ〜う〜す〜け〜…」

後ろから襟首を掴まれた。

「うぐっ…んだよ、亮太!」


オレの小学生時代からの幼なじみで、同じサッカー部の神山亮太だった。