さっきまでオレの横にいた凛は、
清楚でおしとやかで
まるで天使のような微笑みを見せていた。

しかし今オレの横にいる凛は、
意味深な笑みを浮かべる、
小悪魔っぽくなっている。


豹変ってことか??
だからキスに覚悟ねぇ…
見た目は何一つ変わってねぇんだけど…


かなり驚いたのに、
オレは意外と冷静だった。
それどころか凛を観察する余裕まであった。


ドサッ

「あれ?」

が、次の瞬間に
その観察は途切れた。

目の前にニヤリと笑う凛の顔がある。

いつのまにか押し倒されて、
凛に両手首を押さえつけられていた。


「…なぁ、これ普通逆じゃね?」

オレが聞くと、
凛は驚いた顔を見せた。

「普通ここまで迫られたら襲わない?」

そう言われたので、

「そんじゃあ…」

と、腕を動かした。

オレの手首に体重をかけていた凛は、
ガクリと体勢を崩す。

「わっ…」

オレは起き上がると、
倒れ込んできた凛を胸で受け止め、
背中に手を回して自由を奪い
凛の顎に手をかけた。

「襲ってやろーか?」