キスに覚悟…

それほどガードが厳しいってことか?

それともキスしようとしたら無意識に暴れだすとか?


「それでもいいなら…
あたし悠くんとキス出来る気がする…」

凛が微笑んだ。


ヤバイ、可愛すぎ…


返事をする前に、
体が勝手に動いていた。

凛にそっとキスした。


「何変な心配してんの?
オレはどんな凛も好きだよ」

「……」

「凛?」

凛はうつむいて黙っている。


突然で驚いたのか?


違った。


「へぇ、珍しい。
ホントにキスしてくれるんだ」


はぃ?


「あたしを受け止める覚悟は出来てるわけ?」

うつむいていた顔をあげ、
ニヤッと笑う凛。


あれ??…ってか


「誰…?」



空に分厚い雲が広がり、
部屋が薄暗い。


雨が降り始めた。

しかし、オレの頭ん中は、
目の前の人物に対する疑問だらけで、

やっぱ夕立きたかぁ…

などというのんきな疑問はまったく浮かばなかった。