本当はね。

私たちの通う学校は、いわゆるお金持ち学校です。
ですから、美希や、尚くんのような明るく元気な性格の人は少ないのです。

私たちの家は、男の子の子供がいません。そのせいか、跡取りに優秀な男の子と結婚させたいと考えながら両親は私たちを育てたのです。

その過程でお花やお茶を拒み、反抗的な態度を取るようになったのが美希でした。
その結果美希は沢山のスポーツにチャレンジするようになり、ここまでの性格の差が生まれたんだと思います。

時々思うんです、美希が羨ましいって。
やりたいことを自分で見つけてチャレンジする美希は、私にとって憧れでした。

ですが、尚くんは私を素敵だと言ってくれた。
色んな不安があっても、そのことを思うだけで胸がいっぱいになりました。

私の中でまた、尚くんという存在が大きくなっていくのを感じました。