相合傘

郁未はあたしの言葉にばつが悪そうに、目を泳がせながら、苦笑いを浮かべた。


「ごめん。
美弥に出会いの場を設けてあげたかったんだけど…

なんか、余計だった感じ?」


「あ、いや…

そういう訳じゃないんだけど…」


確かに、別に設けてもらわなくても結構だが、今はそんなこと全然関係ない。


…春が、来る。


それが、あたしにとっての一番重要なことだ。


「ならいいんだけど…

あ、とりあえず涼太君たち座って?」



「あ、うん。

みんな入れよ」


涼君は、ドアの外にいる人達にそう言って、席へ向かった。




そして、一番後ろにはものすごく不機嫌な顔をした、春がいたんだ─…