相合傘

──


そんな複雑な気持ちを抱えたままの放課後。


あたしたちは、何故かカラオケにきて、歌も歌わずにいたりする。


しかも、クラスの友達、リナとルリも一緒に。

しかも、3人は妙にドキドキしてるし?



あたしには、何が起こるのか予想もつかない。


郁未に聞いても後でわかるからと流されるし、もうその時が来るまであたしには待つことしかできない。



そんなとき、

がちゃり、

と音がする。


ドアノブを回す音、だ。


…変態!?




でも。


「郁未ちゃん、いますか?


─…ってみゃーちゃん!?」

゙みゃー゙

その懐かしい呼び方に驚いて急いで顔を上げる。



あ…


「涼君…」


この学校にいたんだ…


春と、仲良かったからかな?



ってか、なんで郁未と知り合い?

なんでここにいんの?



あたしの頭の中は疑問ばかりでごちゃごちゃしてくる。


「え、何知り合い!?」

隣の郁未はかなり驚いて、あたしと涼君を交互に見てる。


「ああ、ちょっとね」


あたしよりもいくらか冷静な涼君は郁未にそう言ってから、あたしの方をまた見て低く呟く。


「今日、あいつもいるんだけど…」



あいつ…


って、春しかいない、じゃん。


なんで春が…


あぁ、もう訳がわからない。


「郁未?
これ、何?」