「雇われた、か。」

「ああ、そうだ。」

「誰に雇われた?」

「・・・・・・。」

「黙りか。」と、哉汰は五十嵐と神谷のやり取りを見て呟いた。雇われたと言う神谷は一体誰に雇われたのだろうか。裏社会によく出そうな単語に哉汰は顔が険しくなるのが分かった。俺の親は何をしていたのだろう。誰かに雇われる程の恨みを売っていたのだろうか。今まで哉汰は親の復讐の為と調べ回ってきたが、そんな情報は一切聞いたことがなかった。というより、恨みを視点に入れた捜査をしていなかったのだ。

五十嵐は神谷が話し出すのを待つようでお互い沈黙状態が続いた。お互い相手の次の行動を見定めている、と言ったところだろうか。五十嵐を睨み様子を伺っている神谷に、穏やかな表情をしてはいるが神谷を見る目線は鋭い五十嵐に哉汰は思わず唾を飲み込んだ。緊張感が伝わってくる。外側に俺でさえ伝わるこの圧迫感、五十嵐警部はそれよりずっと重く感じているのだろうと、哉汰が思った時だった。

「俺は殺してない。それをあんたは信用するのか?」

先に話し出したのは神谷だった。その質問に五十嵐は「信用はしないが、真意を見定める事はできる。」と笑いながら言った。このタイミングでよく笑えるなと内心哉汰は思った。そんな五十嵐を見た神谷の顔面は眉間に皺を寄せてかなり機嫌が悪そうだ。だが呆れるような表情に変わり、深いため息を吐く。

「俺があの家に行った時、既に殺されてたんだよ。」