「あっ、いや、なんもないです………。」 「そっか、ならいいけど。つかなんで敬語?」 アハハと笑いながら見下ろしてくる。 「宮下ー。」 友達に呼ばれたその人は、じゃあねって笑って行ってしまった。 宮下、っていうんだ。 気になりつつ、自分の名前の書かれていた4組に向かう。 かっこよかったなぁ。下の名前なんていうんだろ。 ガラッと教室のドアを開けて、自分の番号の席に座る。 名簿順が最後の方だから窓際だった。