sleeping beauty

【洋賢side】


『彼女を返してください』


まさか自分がこんなことを言うなんて思わなかった。



零も驚いているのかアバターは一歩も動かない。





目の前の二人組もフリーズしていた。




おそらく、状況からこうだろう。


零は本物の女だとこの二人組にばれてしまった。


女が圧倒的に少ない世界だ

そういう輩もいるのは当然だ。


きっとオフ会・・・実際に会いたいと迫られでもしていたんだろう。




『返してくださいwwwって、ヒロインにでもなったつもりですか?』



二人組のうち一人が俺にメッセージを打ってきた。



正直自分でも痛いことしたなって思ってる。




でも引けないよな・・!






『その人は・・・・俺の・・・・大切な!大切な!人だから!?』



キーボードを叩く手が震える。






『好きな人だから!!』





零もその場もしばらく何の動きも無かった。








『あー!馬鹿馬鹿しっ!行こーぜ!』


『おいっ?!』



二人組のもう一人の言葉が静寂を打ち破り
もう一人と、そのフィールドを去ってしまった。




取り残された俺と零。





『さっきはごめん・・・零に酷い事言ってしまって・・・』




『良いんですよ、気にしてませんから

それにデリケートな部分に触れてしまった


私こそごめんなさい』



『『・・・・・・・』』



再び訪れる静寂。



(頑張って言わなきゃ‼)


俺は深く深呼吸した。


『零、どうしてこの場所に・・・・




``初めて俺と零が出逢った場所に´´


いたんだ?』







『私、ちょっとばかり期待してました』

『この場所に居ればルイさんが追いかけてきてくれるんじゃないかって』