いつものように、廊下はざわざわしていて、落ち着くような、むずむずするような

いつもの学校。


私は今年受験生になった、上原ひな。頭は中の下ってぐらい。部活はなしで恋もなし!

好きな人はいたこともあるけど、いつも体目的でばかりで使われていて捨てられて、の繰り返しでちゃんとした彼氏はできたことはない。

「ひんなーーーーーぁぁぁーーー!!」

「なにっ!」

「やんばいテスト50もない!笑」

「ひなでもさすがに60あるよ〜〜」
50も点数のない女の子は田村 舞。小学校からの大親友

舞は私とは違って、スタイルもいいし、顔もかわいいし、運動神経もいい。

残念ながら頭の方はよくはない。


ひなと舞は学校帰りにいつも公園に寄って話すのが日課。毎日舞の恋バナパラダイス。けどそれがとても好きだったりもしちゃうんだ

舞の好きな人は同期のけんすけ。通称けんちゃん

「今日けんちゃんが、恋バナしてたの!相手までは聞こえなかったけど……。だれかきになる〜〜」


「もしかしたら〜舞かもよっ!」

「え〜もぉ〜絶対ないっ!」

「そんなのわかんないじゃ〜ん!」

舞かわいいからほんとありえるんだけどな〜。


「ねぇ、ひなは恋しないの??」

「え〜ん〜。なんか良い人いないからさ!」

「ひな可愛いのにもったいなーい!舞の他校の友達紹介しよっか??」

「えっ!いいよいいよ!!!」

「え〜。。」


なんだか他校って悪いイメージがあったからなんとなく嫌だった。煙草吸ってたり、飲酒してたり、ひなはそーゆーひと苦手だ。

ぴろろん

この手の話が苦手でめちゃくちゃ逃げ出したかった。いいタイミングでLINEがきた。

『じゃがいも』
いつもじゃまくさいお母さんも今日だけはほんっと神!

舞とお母さんごめんね…

心ん中で謝りながらとりあえず舞を切り抜け、街をぶらぶら。

家に帰ったらじゃがいもじゃがいも言われるだろうし、行くあてないなぁ。