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翌日、教務室でコーヒーを飲んでいた西岡の元に、一人の男子生徒が訪ねて来た。
「西岡先生‼︎」
聞き覚えのある声で名前を呼ばれた西岡は、後ろを振り返るとそこには丸林がいた。
「おぉ、やっと来たか‼︎」
「僕の退学届、届きましたか?」
「あぁ、ここにあるよ‼︎」
西岡は出席簿の中に挟んでいた退学届を取り出し、右手に持って丸林に見せた。
「本当にいいんだな⁉︎」
「はい」
「そうか…分かった」
丸林の決意に揺るぎはないが、何か深刻そうに考えている。
西岡は丸林に近寄り、「体調でも悪いのか?何があった?」と心配する。
「先生は、世界で一番誰よりも好きな人に会わずに生きていけますか?」
ん?と話を聞きながらも、丸林に改めて向き合う西岡の答えは…
「そうだな…会わなくても生きていける。でも会いたい気持ちは止められないものだ」



