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【 回想 病院 】
夏海は検査結果の紙を手に取って眺めながら、専門医の話を聞く。
『普段街中を行き交う人にさえ「同調(シンクロ)」を起こしてしまうほどの能力のエスカレートに伴い、過度の負担が表れています。
緊張下では アドレナリンやドーパミンなどにより一層NGFの合成が促進されるため、その能力が次第に高まっているのでしょう。
高い緊張状態だと睡眠が浅かったり、キャパを越えると頭痛、目眩等を起こす。でもそれは能力を押さえるための支障だから現実的には、病気としては捉えられない。
したがって、神経の異常発達は脳に負荷を与え、いずれは脳や精神に予測できない異常をきたす恐れがあるでしょう』
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夏海はスカートのポケットに入れて持ち歩いていた手帳を取り出す。
後ろのページに挟んでいた診断書を堀澤に手渡し、運動場の方を向いて、石階段に座り込む。
受け取った診断書を堀澤は上から下へと読み進めながら、夏海の話に耳を傾ける。



