夏海はその場の異物や違和感、そして声を察知していた。
それは指先や足先、身体全体から出る神経に集中して、手にとるように自分の回りの全体像を把握できる。
そうすると情報量が増え、必然的に処理に終われる為、頭の回転が必然的に補償的に早くなる。
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我に戻り、再び前を歩き出した夏海の背後から自分に近づいて来る気配がして、後ろを振り向く。
ズボンのポケットに両手を入れた堀澤が少し離れたところから「よっ!」と手を挙げていて、ポケットから取り出した紙パックのジュースを下投げして渡してきた。
慌てて両手でキャッチした夏海は手元にあるジュースに目が行く。
堀澤は夏海の隣に並んで、運動場の手前にある階段に座り込み、持っていたジュースにストローを刺して、飲み始める。



