「落ち着いたら、また学校に出て来い‼︎」
真剣な声のトーンで、西岡は右手で丸林の肩を押した。
コクンと頭で頷く丸林は、迎えに来ていた黒い車の後部座席の扉を開いた時だった。
「待って!」
丸林の後を追ってきた夏海がようやく追いついた。
走ってくる最中に、ポケットからメモ紙を取り出して、車に乗り込む丸林のブレザーのポケットにさり気無くそのメモ紙を入れた。
後部座席に座った丸林は、車の窓の向こうに夏海と西岡が立っていて、ゆっくりと前へ前進する車の後に付いてくる。
車の後を追いながら、夏海と西岡は目を合わせて意味深な雰囲気を醸し出していた。
裏口の門が開き、誰かが出てくると悟った数人のマスコミが、門に近付いてくる。
丸林が乗った車が門から出て来た時、車に接近しようとして来る記者達の前に、夏海が両腕を広げて立ち塞がる。



