ここで立ち止まって考えている時間はない。
夏海は無意識に右手をポケットに入れ、すっとポケットから手を下ろす。
再び走り出した夏海だが、一先ず裏口へと向かう夏海の後に続くように真弥とさやか
そして何故か委員長の服部が廊下を走っていくのを、たまたま廊下を通りかかった堀澤が見ていた。
「おい、何かあったのか?」
声をかけるも返事がなく走り去って行く。ふと廊下から窓の外を見ると、正門の前にカメラやマイクを構えた報道陣がいるのに気付いた。
「何が起こってるんだ?」
そこへ校舎から校長と副校長が出てきて正門の方へ歩いて行っていた。
✳︎ ✳︎ ✳︎
「どういった御用でしょうか⁇」
「この学校に明宝高校の校長の息子がいるとの事を耳にしまして、是非取材を…」
記者達に囲まれる校長と副校長は、記者からの言葉を聞いて、思わず眉間にシワを寄せる。



