未来の1/fragment






授業が終わり、夏海は1人で校舎の一階に降りて行き、自動販売機の前に立つと、一通り目を通す。


そういえば最近、耳鳴りや頭痛がパタリと起こらなくなった事を自覚していた。


症状が起こる時は嫌な予感がしたりして、決していい事は起こらない。


ふぅ〜と息を吐いて、ジュースを買おうと100円玉を投入した。


ヨーグルトジュースのボタンを押すと、ゴンっと鈍い音をたてながら落ちてきた。


右手で自販機の蓋を開けて、ジュースに手を伸ばした時だった。



いきなり耳元からキーンと耳鳴りがして、夏海は咄嗟に周りを見渡す。


空気、雰囲気、波長、その場の異物や違和感を感じ、無意識に音や空気に同調(シンクロナイズ)し始めた。


廊下を笑いながら話して歩く2人組の女子がいたり、部活へ向かう男子が夏海の横をすれ違う。あらゆるものの気配に敏感になる。