未来の1/fragment





「怪我の事もそうだけど、もう他人の心配をするより、自分の事を最優先して考えて欲しい。私は私、あなたはあなたで」



夏海の鋭く真っ直ぐな瞳を見て、思わず視線を外し、咳払いをした堀澤は寄りかかっていた本棚から離れた。



「先に教室戻るわ」



夏海を背に図書室を出た堀澤は、扉を閉めて廊下を歩きながら深く溜息をついた。



「また距離を作るような態度を取ってどうすんだよ…」



堀澤は廊下の白い壁に左手をついて立ち止まった。



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授業中、先生の説明を聞きながらシャーペンを鼻の下に乗せて考え事をしていた。


自分の将来の事、丸林の家庭事情、堀澤の怪我の件


最近、悩み事が尽きないことにようやく気付いた夏海は、頭を抱えていた。


そんな夏海の背中を後ろの席から見ていた丸林は、机に腕を突いて様子を伺う。


先生は後ろの席に座る丸林を指差した。