未来の1/fragment






「坂尻もこの大学狙ってるのか?」



夏海が持っていた本は大学の赤本だった。



「えっ、もしかしてここなの?」


「へぇ〜、俺はてっきり更にワンランク上の大学を目指してると思ってた」



口角を上げて笑う堀澤は、夏海のそばから離れ、向かい側の本棚に寄りかかる。


夏海は目の前にいる堀澤に、少し歯向かってみる。



「いいじゃない‼︎私がどの大学を受けようと、堀澤には関係ないでしょ?」


「関係ない?まぁ…そうかもな」


「でも堀澤は大学側からスポーツ推薦が来るでしょ?心配なんて言葉はないわね」



夏海は首を傾けながら、両腕を胸の前で組む。



「さぁ、それはどうかな?」


「えっ⁇」



堀澤は本棚に寄りかかっていた体を起こして、一方夏海に近づく。



「将来の事なんて、何が起こるか分からない。俺にも、お前にも…」



夏海は堀澤の目を見て、静かに息を飲む。