「坂尻もこの大学狙ってるのか?」
夏海が持っていた本は大学の赤本だった。
「えっ、もしかしてここなの?」
「へぇ〜、俺はてっきり更にワンランク上の大学を目指してると思ってた」
口角を上げて笑う堀澤は、夏海のそばから離れ、向かい側の本棚に寄りかかる。
夏海は目の前にいる堀澤に、少し歯向かってみる。
「いいじゃない‼︎私がどの大学を受けようと、堀澤には関係ないでしょ?」
「関係ない?まぁ…そうかもな」
「でも堀澤は大学側からスポーツ推薦が来るでしょ?心配なんて言葉はないわね」
夏海は首を傾けながら、両腕を胸の前で組む。
「さぁ、それはどうかな?」
「えっ⁇」
堀澤は本棚に寄りかかっていた体を起こして、一方夏海に近づく。
「将来の事なんて、何が起こるか分からない。俺にも、お前にも…」
夏海は堀澤の目を見て、静かに息を飲む。



