「そうだね、頑張って‼︎」
「おぅ」
堀澤は右手を上げ、コートへ向かった。
その場に立ち尽くす夏海は、右手で頭を抱えた。
いつもならズバッと口にできるのに、言葉が出なかった。
いいや、神様がこの試練を彼に与えたのだろうか。
ズキンと頭痛が起こり始め、その場でそっと目を瞑った。
『言えなかった…』
今から起こりうる出来事は、とても大切な事だったのに言えずにいた夏海は、ただ後悔だけが募る。
✳︎ ✳︎ ✳︎
『 KOUFU 』のユニフォームを着た選手が、コートの各ポジションに着いた。
ピーと笛が鳴り、ゲームが始まった。
観客席には学校総出で生徒が応援に来ていた。
「何か緊張してきた…」
さやかが真弥の肩を揺さぶる。



