夏海は本を閉じてその場を去り、図書室を出る時に右手で口元を隠しながらフッと笑った。
「どいつもこいつも、今に見てろよ…」
1人ボソッと呟く丸林は床から立ち上がり、本棚に本を戻した。
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その頃、担任の西岡は自分のデスクに座り両腕を上げて背伸びをしていた。
「よし、終わった」
自分の仕事を片付けて、カバンを持ち「お先に失礼します」と居残りをしている教員に声を掛けて教務室を出た。
ふと左側の廊下に視線を向けると、見覚えのある人が立っていた。
「久し振りだね、西岡くん」
「丸林先生、どうしてここに…」
手を挙げて西岡に挨拶をするのは、ライバル校である明宝学園高校の校長で
丸林の父親だった。



