脳内に流れる映像が終わり、はっと我に戻る夏海は慌てて教室を飛び出した。
「夏海⁉︎」
走って出て行く夏海に気付いた真弥だったが、落ちてくるノートを必死に集めるのに精一杯だった。
廊下を早歩きしていた夏海は、階段から上がって来た男子生徒と肩がぶつかった。
「痛っ」
「ごめんって…何だ、坂尻か」
ぶつかった相手は堀澤だった。ふと視線を落とすと、堀澤の手にはノートが握られていた。
「それってもしかして…」
「あぁ、中庭にいたらこれが落ちて来たんだよ」
危機感を覚えた夏海は、真っ直ぐな目で堀澤を見つめた。
「服部くんが危ないの‼︎」
「えっ?」
夏海は再び服部がいるであろう屋上へと続く階段に向かって走り出し、堀澤は夏海の後を追った。



