涙を腕で拭い取った夏海は、右肩を掴まれている丸林の手を払いのける。
「服部くんが危ない、彼から目を離さないで‼︎」
「えっ、服部?あぁ…委員長の事か⁉︎でもまた何で⁇」
話しているうちに夏海の燻んだ瞳が、次第に普段通りの薄い鳶色に戻ってきた。
「服部くんは悩みがあるみたいで、それが丸林と似た境遇というか…どこか重なって見えるの」
「あのクソ真面目な服部と俺が?おいおい、冗談やめろよ…」
丸林は笑いながらズボンのポケットに両手を入れて、見下ろすように夏海を見ていた。
だがしかし油断していたのか、夏海は丸林の足の脛を蹴り入れた。
「痛った‼︎」
不意打ちで蹴られ、あまりの痛さに脛を手でさすりながらしゃがみ込んだ。



