* * *
一方、丸林は一足先に校門の方へ歩いていた。
すると背後から早歩きで颯爽と丸林を抜き去る一人の女子生徒がいた。
「おい、坂尻‼︎」
そんなに慌ててどこに…
いつもの坂尻の反応じゃない、どうもおかしい。
不審に思った丸林は夏海の前に回り込み、右肩を掴んだ。
「おいって、聞こえないのか⁉︎」
声を掛けて夏海の顔を覗き込んだ途端に、丸林はある異変に気付いた。
顔を上げた夏海の瞳が燻んだ黒色になっていた。
「なぁ、どうしたんだよ⁉︎」
必死になる丸林に視線を向けた途端に、右眼から涙が溢れ綺麗に頬を伝う。
涙を見た丸林は思わず唖然とする。



