未来の1/fragment






服部は成績表を手に持ちながら、ブツブツと小声で独り言を呟いていた。



「どうしよう、どうしよう…」



夏海は微かに聞こえる声を聞き逃さなかった。


しかしこの声は他人に聞こえているのだろうかと、一旦周りを見渡してみた。


だが誰も気付いていないのか、服部の声は夏海以外聞こえていないようだった。



服部の肩を叩こうと手を伸ばした途端、耳鳴りが今まで以上にボリュームが上がり、次第にめまいもし始めた。


両目を閉じ、右手で眉間をつまみながら、自力で自分の席に戻り、机に両手を置いてしゃがみこんでしまった。


夏海がしゃがみこんだ瞬間を目撃していた男子生徒が、歩み寄って来た。



「おい…大丈夫?」



目を細めながら顔を上げた夏海の前には、堀澤が中腰の状態で夏海の様子を伺っていた。