丸林は少しずつ女子生徒に近づいて行く。



「そこ、坂尻の席だけど。今持っているノートも、お前のじゃないだろ?」



冷たく言い放つ丸林に対し、女子生徒は慌ててノートを机の引き出しに戻した。



「そういえば…このクラスで最近いろんなものが無くなったりしてるんだよ。しかも坂尻のものばかり。なぁ、もしかして…お前が盗んで、嫌がらせしてたのか?」



返す言葉が見つからず、黙り込む女子生徒の様子を伺う丸林は、両手をポケットに入れる。



「その様子だと、図星って訳か…。お前さぁ、自分が何しているのか分かってんのか⁉︎」



いきなり怒鳴る丸林に対して、ビクッと反応する女子生徒は視線を落とす。


丸林は視線を女子生徒の胸ポケットに向け、名札を確認した。



「犯人はお前だったんだな、1組の星野さん⁉︎」